まるで中世のヨーロッパの貴婦人の胸元を飾るレースのようなチーズがあります。名前はテッド ド モワンヌと言います。日本語の意味はお坊さんの頭。
思わず、え?っと思う名前。スイス産のチーズなので「修道士の頭」と訳せば、それほどビックリしないでしょうか。
このチーズは直径10〜15cm、高さ7〜15cmの円柱形のセミハードチーズです。レースのような形状になるのは(花びらのようでもある)ジロールという専用の削り器でハンドルを回すとフワフワと削られていくせいです。
薄く削られたチーズは口の中でスッと溶けてチーズの風味が広がります。
このチーズを私が仕入れる時は、女性のお客様のイベントや店舗で使われることが多く、その見た目のラブリーさと、他の食べ物との合わせやすさを考える時です。
先日、カシボニオープン当初より仲良しの友人(最初はお客さん)がケーキを食べに行こうとメッセージをくれました。
彼女から誘ってくることは珍しく、何かあるのかな?と思ったら、画像のチーズ(名前はmouton)を私に紹介したかったようです。
ケーキ屋さんで「これって、アレよね。」という友人。
「アレじゃないんやけど、アレやな。」と私。
そう、ジロールで削ってはいるけれど。チーズはテット ド モワンヌではないと言いたかった私。ケーキ屋さんでは羊のチーズと明記してありましたがテット ド モワンヌは羊乳製でなく牛乳製なのです。そして、色も、テット ド モワンヌはアイボリー色なので違うのでした。今度、そのお店に行ったら、何のチーズを使っているのか聞いてみたいと思います。
何年も一緒に過ごすうちにチーズに詳しくなっていく友人に少しクスクスしながら、いつか一緒にチーズの専門店をやれたらいいなと思いました。
■テットド モワンヌ/AOP認定
ハードタイプ/スイス産
乳種/牛乳
重さ/700g〜2kg
■名前の由来・・・諸説あるが、かつて農民が修道士の数だけ、このチーズを献納していたからと言われている。
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